家族がいても、住宅ローンがあっても、起業の壁にはならない

家族がいても、住宅ローンがあっても、起業の壁にはならない 起業ストーリー

よく、「起業を目指しているけど、結婚してるから…。」「家のローンがあるから…。」という相談を受けることがあります。副業一つをとってもそうですね。時間が、お金が、タイミングが、という話はよく耳にします。

確かに、起業に対しては金銭面、時間面で様々なリスクが生じます。サラリーマンであれば毎月決まったお給料が入ってきますが、独立してしまうと仕事が取れない時には収入がなくなる可能性もあります。さらに、定時といった概念がないので、時間が許す限り仕事をするような状況になることも。

  • 収入が今よりも減ったらどうしよう…
  • 家族との(彼氏、彼女との)関係性が悪くなったらどうしよう…

と不安に思われる人が多いのもわかります。

でも、僕は家族がいるからこそ、ローン(金銭的負債)を抱えているからこそ頑張れることもあると思っています。さらに、僕の知り合いの経営者の多くは「そう言った人ほど起業するべきだ。」と話していることも。

今回は、家族・彼氏彼女がいるような形に向けた話です。

守るべきものを持つと人は強くなる

守るべきものを持つと人は強くなる

よく、「守るべきものを持つと人は強くなる」と言われることがありますが、これは真意だと思っています。単純に家族やパートナーを持っている人が強い、成功しやすいという話ではなく、守るべきものを持っている人は思考を廻らせやすいということ。

言ってしまえば、家族もいなくて、彼氏彼女もいない人だったら金銭的な自由はもちろん、時間の自由もあるでしょう。仕事に打ち込みたいのであれば朝から晩まで仕事ができますし、食べるものも買うものも自分の都合一つで決めることができます。

一見すると、独立起業するにはそういった環境が適しているようにも見えます。

しかし、僕や僕の周りの経営者は、「守るべきもの(者、物)があると、人は縛りの中で成長する」と考えます。全てが自由になっているということは、裏を返せば何にも縛られずに堕落した生活ができてしまうということ。縛りがあることで、始めて一つのことに集中したり、成果を求めたりできると考えています。

守るべきものを疎かにしてはいけない

よく、起業するのだから家族との時間を減らす、パートナーにも金銭的な負担をしてもらう、と考えている方がいます。先日も起業したいという方からそう言った相談を受けました。

確かに、「独立起業を応援してくれるなら、時間や金銭面でもサポートして欲しい。」と考える人はいるかもしれません。しかし、それでは本当の意味で独立できておらず、いつまでもパートナーに頼り切ってしまう可能性があります。

独立して自分で事業を起こすというのはそんなに簡単なことではなく、独立してからこそ守るべきものが増えます。会社としてのお金の管理もそうですし、時間の管理もそう、人を雇うのであれば従業員の管理も必要。

家族やパートナー、お金の約束も守れないのに、どうして自分の会社が守れるんだって話。

事業を始めると守るべきものが増える

事業を始めると守るべきものが増える

どんな事業にしろ、事業を始めるとそれまで以上に守るべきもの、ことが増えます。

サラリーマン時代には仕事先との関係性が悪くなったとしても、会社の看板でなんとか関係性を保てたかもしれません。仕事先の企業はあなたに仕事を任せているのではなく、あなたが所属している会社に仕事を任せているのですからね。

収入はもちろん会社から払われるお給料。お給料をもらっている時には、家のローンを払って、食費を払って、家の様々なものの費用を払って…、と生活費を払って残ったお金は自由に使えたかもしれません。

しかし、独立してからは違います。

仕事先に対してミスを犯せば、それは全てあなたの責任。あなたがなんとかして責任を負うしかありません。

さらに、入ってくるお金はお給料ではなく事業収入になるので、その中から次の仕事に充てるお金を工面しなければいけません。設備が必要な事業であれば設備費が必要ですし、営業が必要な仕事なら営業経費がかかるでしょう。

制限のある生活は自制心を働かせる

上のように、自分で事業を始めるということは、全ての責任を自分が負う必要があり、金銭面の管理も全て自分で行わなければいけません。今まで自分のことだけを考えて生活していた人がいきなりそんな状況になって、本当に自制できるでしょうか。

僕の周りにも「独り身で彼女も作らないで自分の事業をやっていくんだ。」と言っていた人がいますが、実際のところ金銭面や時間管理で苦労しています。今まで自分の思い通りに生活していたため、いきなり外部から作られるルール(お客さんとの関係、税金など)に適用できないんですね。

しかし、家族を持っていたり、住宅ローンを抱えている人はすでに自分以外の事柄に適応する能力がついている場合が多いでしょう。

何かをしようと思ったら家族の都合を考える必要がありますし、会社からもらった給料も家族の生活費や住宅ローンなど支払いに充てる必要があります。先のことを考えて生活することに慣れているんですね。

全てがそうとは言いませんが、家族を持っている人は時間に関しても、金銭面に関しても、先のことを考えて行動する癖がつきやすいと思います。そう言った先を考える力が独立するにあたってはかなり重要。

僕自身、家族がいて、住宅ローンを抱えている状態で起業している

僕自身が家族がいて、住宅ローンを抱えて起業している

そういう僕も、実は家族がいて(妻、子供)、さらにマイホームを購入した状態で起業しています。子供も小さかったので手がかかりますし、住宅ローンを抱えていたので毎月絶対に払わないといけないお金も決まっていました。

そんな状態で起業した僕ですが、最初の頃こそ苦労したものの、今となっては家族との時間を保ちながら生活できています。家ももう一軒購入し、しっかりと住宅ローンの支払いを行っています。

家族がいたのは起業に大きな後押しになった

家族がいる、金銭的負債があることをマイナスだと考える方は多いのですが、実際のところ家族がいて住宅ローンを抱えたまま起業した僕にとっては、大きな後押しになりました。

毎月かかる生活費の計算もしっかりと出来ていますし、そのおかげで事業収入の目安が立てられます。「これくらいの収入にならないのであれば起業できない。」というラインが明確でした。

さらに抽象的な話ですが、家族がいることで仕事に対してのやる気も出てきます。「この仕事が失敗すれば家族を守れない。」と考えることで大きなプレッシャーにもなりますが、ちょっと躊躇するような仕事でもやり切ることができています。

実際、起業したところで自分のやりたいことだけが出来るわけじゃないんです。中には営業が苦手な人がいるかもしれませんが、どこかしらで営業はしないといけません。事務作業が嫌いでもやらなければいけませんし、お金の管理が苦手でもやるしかないんです。

こう言った「ちょっと嫌だな。」なんて思ってしまうような仕事が、独立した時にはかなり重要な仕事であるケースは多くあります。自分一人でやっていると、どうしてもダラけてしまいがちですが、守るべきものを考えるとやるしかありません。弱音を吐いている暇もないんです。

家族がいることで、時間管理にも慣れている

当時から家族がいたこともあって、自分の時間が取れなかったり、時間が自分の都合通りに進まないことには慣れていました。

パートナーと一緒に生活していると、どうしても自分のしたいことだけをしているわけにはいきませんよね。子供がいれば尚更です。ご飯も食べさせてあげないといけませんし、お風呂も入れてあげないといけません。何をするにも一人よりかなり時間がかかるのが当たり前。

さらに、寝かしつける時間が決まっている場合は全ての時間が決まっています。19時にはご飯を食べて、20時にはお風呂に入って、21時には寝るとか。

僕自身、時間が許す限りは子供と過ごそうと思っているので、当時から

  • 着替え、オムツ替え
  • ご飯を食べさせる
  • お風呂に入れる
  • 寝かしつける

この辺りは僕の仕事です。これは今でも変わらず、子供が何かするたびに呼ばれます。その度に仕事が止まることもありますが、もう今となっては慣れっこ。

実は、これが仕事でもちょっと良い方向に作用しており、仕事はどうしても自分都合だけで進めることはできません。自分の集うもありますが、お客さんの都合もあります。そう言ったことで時間を左右されることなんて日常茶飯事。

こう言った時間を邪魔されることに慣れていない場合、ちょっと時間をずらされただけで全てのスケジュールが狂ってしまったり。逆にそもそもの時間管理ができていなくて、案件が遅れてしまったり…。そんな状態では自分で事業を進めることはできません。

家族を抱えている人の場合、そういった時間管理であったり、自分の時間が邪魔されることに慣れているので、仕事でもストレスを溜めにくいでしょう。

住宅ローンがあったことで、明確な金銭管理ができた

さらに、僕が独立した時には住宅ローンを抱えていたので、「毎月絶対にこれくらいの金額は支払わないといけない。」という金額が明確に決まっていました。住宅ローンを組んだ経験がある人はわかると思うのですが、会社からのお給料で生活している段階で、そのお金はないものとして考えますよね。「ちょっと節約して…。」なんて感覚で工面できる金額ではありません。

毎月入ってくるお金があっても、その中から絶対に使えないお金があることに慣れていたので、事業を始めた時にも金銭管理がやりやすかった。

事業を始めると当たり前ですが、今までの会社員時代よりも大きなお金を扱うようになります。入ってくる金額も数十万円から数百万円というのが当たり前になります。

「お金が入ってくるなら大丈夫じゃないの?」と思った人、危険です。自分で事業を行うということは、保険や税金も自分で管理しなければいけないということ。入ってくるお金に対して、支払うお金が決まっているんですね。

さらに、その支払うお金はその都度払うわけではありません。毎月支払いが発生するものもあれば、年一回の確定申告で決定するお金もあります。つまり入ってくるお金はバラバラでも、支払いわないといけないお金が絶対に発生するので、その管理が必要なんですね。

入ってきたお金を全て使ってしまうなんてことは問題外として、自分都合でちょっと節約すれば支払いが減るようなことはありませんし、最初から計算しながらお金を管理しないといけないんです。

経営の勉強をしている人はこういったお金の管理は当たり前かもしれませんが 、急に独立した人、特に独り身で独立した人はつまずくケースが多いように感じます。「当たり前のことだろう。」と思われるかもしれませんが、実際に僕の周りでも独立して売り上げが立っているのに金銭面で苦労している人は多くいます。

家族がいても、金銭的負債があっても、ポジティブに捉える

起業に対しては全てをポジティブに捉える

と、ここまで話しましたが、実際のところ全てをしっかり自己管理できる人にとっては独り身の方が安心かもしれません。物理的に時間的余裕も、金銭的余裕もありますからね。

でも人間誰しもしっかりと自己管理ができているわけではありません。自分で事業を行う上で、売り上げを上げることはもちろん大事なのですが、自己管理もそれと同じくらい大事。そういった自己管理、自制という力を考えれば、独り身よりも家族持ちの方が有利なのかもしれません。

世間では家族がいて、ローンを抱えている状態だと

  • そんなリスクをとって起業できない
  • 家族がいるから時間がない
  • 売り上げが立たなかったらどうするの

なんて言われることがありますが、実際問題こういった問題って家族がいるとかローンがあるとか関係ないんですよね。

独り身でも起業すればお給料制じゃなくなるのでリスクは絶対あります。家族がいなくても、自分の時間を自制できずに友達と遊んでしまう人はいます。売り上げが立たなかったら、家族がいようがいまいが問題です。

日本は独立起業ということに対して否定的な風潮があるので、どうしてもそういった話を否定したくなるのかもしれませんね。心配しているようで、そのアドバイスは心配なのではなく否定なのかもしれない。

正直、今結婚していたり、家を持っていたりという状況を変えることは現実的ではないので、「その中でどうすればいいのか?」を考えるようにしましょう。しっかりと計画を立てて自制すれば、そういった環境でも独立は何も問題ありません。ポジティブに捉えていきましょう。

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